はじめに
ケイ・オプティコムが提供する100MbpsのFTTHサービス、「eoホームファイバー」(導入当時「eoメガファイバー(ホームタイプ)」)を利用し始めたのは2002年6月1日…、あれから1年以上の月日が流れた。
導入当時は特別なものだった“FTTH”も、今やライフラインのひとつになっていると言っても過言ではない。
なにか調べたいことがあれば、すぐウェブブラウザを起動し、検索する。
大きなサイズのファイルでも、躊躇(ちゅうちょ)なくダウンロードする。
最新のニュースやメールを、気になったときにチェックする…。
FTTH導入前には考えられなかったことだが、今では当たり前になっている。
インターネットに常時接続し、安定した高速通信を行える環境。
あまりにも快適すぎて、インターネットに接続しているということを、忘れてしまうぐらいだ。
この「FTTHへの道 〜eoメガファイバー(ホームタイプ)導入記〜」は、その名の通り、ISDNでダイヤルアップ接続を行っていた私が、FTTHサービス「eoホームファイバー」を導入する話だ。
本来ならば、開通した時点で終了すべきだったのかも知れない。
その後もしばらく続けたが、月日がたつにつれて書くことも減り、「2002年 9月」を最後に掲載を中断していた。
しかし、あれから10ヶ月、「eoホームファイバー」のサービス内容は少しずつ進歩し、新たに書くことも今はある。
「FTTHへの道」という趣旨からは外れるかも知れないが、ここであらためて、開通後の一年を振り返る…。
「eoホームファイバー」の、この一年
「eoホームファイバー」は、「100MbpsのFTTHサービス」というのが、最大のセールスポイントだろう。
しかし、サービス開始当初は「それだけ」という感じで、他の部分は十分に練られていないような印象を受けた。
たとえば、無料で割り当てられるメールボックスとホームページ(ウェブページ)スペースの容量がそのひとつだ。それぞれ5MBというその小ささは、100Mbpsの通信速度とは不釣り合いに思え、理解に苦しむほどだった。
2002年9月27日〜10月6日に、ユーザーアンケートが実施された。
今から思えば、このときのアンケートがサービス向上に役立てられているように感じる。
2002年11月1日には、メールサービスがパワーアップされた。
当初予定されていた強化内容(「2002年 9月」参照)に加え、メールボックスの容量が5MBから20MBへ(有料オプションで合計80MBまで可能)、送受信可能なメールの容量が1通あたり3MBから10MBへと増やされたのだ。
2003年6月1日には、無料で割り当てられるホームページ(ウェブページ)スペースの容量が5MBから20MBに増やされた。
さらに、2003年7月1日には、有料オプションで、ホームページ(Webページ)スペースの容量を合計200MB(従来は45MB)まで増やせるようになった。
また、あまり目立たないことかも知れないが、この一年の間に、ケイ・オプティコムの光ファイバー網やバックボーンが大幅に増強された。
ネットワークの増強工事が行われるたびに、接続サービスは一時停止されたが、それほど不満にも感じなかった。
この一年間で(私の場合)14回ぐらいと回数は多かったが、停止される時間は短く、なによりもそれに見合うだけの成果が得られたからだ。
大幅に改善された通信速度は、利用開始当初とは比べ物にならないほどで、その違いは、測定してはじめて分かるというレベルではなく、体感できるほどだった(「2002年 8月」参照)。
※ケイ・オプティコムのバックボーンについて
ケイ・オプティコムのウェブサイトにある「サイト内検索」で、キーワードに「バックボーン」を入力し検索すれば表示される。
(ケイ・オプティコムのウェブサイトでは、トップページ以外へのリンクが禁止されているので、バックボーンについて書かれたページへ直接リンクすることは控える。)
この一年の間に、「eoホームファイバー」のサービス内容を充実させてきたケイ・オプティコムだったが、ひとつ汚点を残してしまった。
2003年6月23日に発生した、メールボックスやホームページ(ウェブページ)スペースの誤消去だ(77名のユーザーが影響を受けた)。
ホームページ(ウェブページ)スペースについては、バックアップを取っていたため復旧できたが、メールボックスについては消失してしまった。
ただ、この件についてはひとつだけ、評価できる点もある。すぐに対処し、翌日には隠さず公表したことだ。
「eoホームファイバー」のこれから
現在の「eoホームファイバー」は、通信速度やメールボックスの容量・機能など、その基本的な内容だけで見れば、良質なインターネット接続サービスだと言えるだろう。
しかし、基本的なサービス以外も含め、総合的な内容で見れば、まだまだ物足りないような印象を受ける。
現在でも、テレビ電話を含むIP電話、それを利用した「お茶の間留学」など、FTTHならではのオプションサービスや、関連会社が運営する、地域密着型ポータルサイト「関西どっとコム」や、ブロードバンドコンテンツの配信実験サービス「BBit Japan」などが提供されているのだが、十分とは言えない。
大手のインターネットサービスプロバイダー(ISP)が提供しているサービスと比較すれば、きめ細かさが足りないのだ。
たとえば、大手ISPのサービスでは、ホームページ(ウェブページ)スペースが提供されているだけではなく、全てのユーザーが積極的に活用できるよう、各種のツールや素材集、便利なオプション機能、初心者用作成マニュアルなどが豊富に用意されている。
このようなユーザの立場にたったサービスの積み重ねが、総合的な品質アップにつながるのではないだろうか。
「eoホームファイバー」が最高のインターネット接続サービスと呼ばれるためには、FTTHならではの長所を生かしつつ、ユーザーの立場にたったきめ細かなサービスを充実させていく必要がある。
考えてみれば、「eoホームファイバー」は開始されて1年半、光ファイバーインターネット「eo」シリーズの第1弾「eo64エア」ですら2年ちょっとだ。
未熟な部分があるのも当然で、サービス内容が熟成されていくのは、これからなのかも知れない。
期待を込めて、「eoホームファイバー」の今後を見守っていきたい…。
〜 関連記事 〜
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「FTTHへの道 〜eoメガファイバー(ホームタイプ)導入記〜 2002年 8月」
「FTTHへの道 〜eoメガファイバー(ホームタイプ)導入記〜 2002年 9月」
〜 関連リンク 〜
eo光
ケイ・オプティコム
関西どっとコム
eonetシアター(BBit Japan)
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